保育園の帰り道
今日はいつもより早く迎えに行ったから
夜に時間の余裕がある。バタバタしないですむ。
と思っていたら


後ろに乗っていたけーくんが
持っていた柔らかいサッカーボールのおもちゃを落としました。

「あ!ボール!」と焦るけーくん。

コロコロコロと転がるボール
けーくんの声で自転車を止め、ボールを見る私


コロコロコロコロコロと道路の端の柵の下を通り

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数メートル下降の川へ
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(あ〜ぁぁ、ありゃ無理だ)



そのまま無理に連れ帰る事も出来たけども
見たいというけーくんを降ろして、ボールとお別れをさせることにしました。


ドンドンドンドン流れていくボール


「落ちちゃったね。あれは拾えないよ。」

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ドンドンドンドン離れていくボール。
離れていくのを「待って待って!」と泣き始めるけーくん。
ものすごく悲しそうに泣いている。
でも取りに行く事はできない。100円のボールだったのでそこまでしたくない。笑(というかできない。)
買い直す事はもちろんできるけど
無くしたら買えばいい。という学びもさせたくない。



「残念だね。でもお別れだよ。どこかに行くんだよ。もしかしたらお父さんのところかも!」


何を言っても泣きやまないけーくん。
「行っちゃう!行っちゃう!」と大泣き。
あまりにも泣くから、一瞬保育園にヘルプだそうかとも考えたけども(まだ保育園の近く)
しょせん100円。
これが、まーくんがけーくんに買ってあげた唯一のサッカーボールとかなら
なりふり構わず必死で取りに行くと思うけども
しょせん100円。(2回目。笑)

けーくんの泣きが尋常じゃないから、周りの人もチラチラ見て去って行く。
なぜこんなにも泣いているのか

①飴細工のハートの持ち主なのでおもちゃを無くして悲しくて泣いている
(『ガラスならぬ飴細工のハート』)
②お母さん(私)の気が引けるので大げさに泣いている
③“失うと”か“いなくな”るという事に敏感に反応している。

③だと思うと、いたたまれなくて、でも拾えなくて
もうこの際泣き止むまでがっつり付き合おうと覚悟をしたら


「どうしました?」


と、青年が声をかけてくれました。
見た所大学生くらいの優しそうな子。

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事情を話すと「僕が取ってきます」と颯爽とどこかへ消えました。
しばらくすると川下に青年の姿が現れ、軽々と拾って来てくれたのです。


人の優しさや温かさに敏感な昨今
泣き………ませんでした。(あれ?)
今思うと泣いてもいいほどのエピソードなのに(自分的に)
ちっとも泣かず、泣けないなとも思わず。
やっぱり物の価値ですかね。
100円…
その価値がエピソードを軽くさせている。
これがまーくんのボールだったら、大号泣めちゃ良いエピソード。

泣けませんでしたが
すごく心が洗われました。まだまだ日本も捨てたもんじゃない。
ぜひああいう青年になって欲しいものだ。

帰る道中、家に着いてからもひたすらしつこく
「素敵な人だったね。困っている人がいたら助けてくれて、かっこよかったね。」
とクドクド頭に刷り込みました。


にしても、子供ってどうして空気読まないんですかね。
めっちゃ親切な青年に、満面の笑みで「ありがとう!」だろそこは。
というところで、柵で遊びながら片手間に「ありがと」とは…躾を疑われるだろぅ!
母の方が頭を下げっぱなしだったよ。お前さんの為だろがぁ!


そして青年と別れてボール戻ったにも関わらず再度泣き続けていたけーくん
どうやら、泣いていた理由としては②が有力です。笑


え?その時のしーちゃん?
もちろんいい子です。笑

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