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怒りの帰省から帰ってきた後、数日家で過ごした。

朝は起こすこともなく、食事の時間にいたら一応は食事を出す。
私からは話しかけないが、まーくんから話しかけてきたら答える。

食事が終わったら、いそいそと食器を洗っていた。

夜に子供達と追いかけっこが始まり、
洗濯物を畳んでいる私の方にもキャーキャー言いながら飛び込んで来たときは
「良かったねー。楽しいねー。」と話しかけた。まーくんの顔は一切見ず。

朝は起こさないと決めていた。

まーくんの実家帰省の後、お盆だし、私も子供達を連れてしばらく帰るねと予定していた。
いつからとは言わなかったけど、そろそろ帰る日。
朝起きて、昼前までに起きなかったら今日帰ろうと決めた。
案の定起きない。朝ごはん、掃除、洗濯を済ませ、帰省の準備をする。
玄関を出る前までに起きなかったら、そのまま帰ってしまおう。声もかけずに。

まあ、やっぱり起きないので
車に乗り込み駐車場を出ようとバックして後ろを見たとき
駐車場に面している大きな窓のブラインドが上がっていくのが見えた。
(…起きたんだ。)

彼はどう思っただろう。
起きたら、荷物をまとめて、今まさに車で出て行こうとしている嫁と子供達。
実家に行く予定にはなっていたから、分かっていたと思うけど寂しかっただろうな。

車を降りて「ほら!言うことは!?」と歩み寄ろうかとも思ったけど
ここが正念場だ!とエイヤ!とそのまま車を走らせてしまった。

それが最後。
姿は見えなかったものの、まーくんの存在を感じた最後の時。
本当に本当に本当に 話せば良かった。


20171020


・子供達との最後の遊び
    =家で追いかけっこ

・最後に食べた手料理
    =ごぼうの甘唐揚げ。「これ何?」「ごぼうの甘唐揚げ」「おいしいね…」

・最後に観た映画(DVD)
    =レミーのおいしいレストラン(特典映像のゲームをけーくんとしていた)

・ちゃんと姿を見た最後
    =花火大会の日(死ぬ3週間ほど前。黙れと言われた時。)

・まーくんが私たちの姿を見た最後
    =車で走り去って行く時(死ぬ2週間ほど前)



「ごぼうの甘唐揚げ」は、まーくんが死んだ後に冷蔵庫を見たら残りが入っていました。

死ぬまでの2週間。
まーくんは一人で生きていた。
子供達と遊ぶこともなく。
愛する家族の声を聞くこともなく。
なんなら私に嫌われたと思って。


たった独りで逝ってしまった。


なにもこんな時じゃなくてもいいのに
…神様はいじわるだ。



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