私は今を生きている

過去でもなく

未来でもない





この瞬間に感じるものの中で
一緒にいられる人と共に





ー 死にいくとはどういうことか ー
ー 遺されるとはどういうことか ー






まーくんが生きていた頃に DIYで作った棚が
ちょいちょい起こる地震のせいか
壊れかけていて


完全に崩壊する前に
修復しておこうと
中のものを全部出し
修復作業にかかりました。



中のもの…
縦2m横50cmほどのこの大きな棚には
写真やアルバムや手紙やらの
思い出を全部詰め込んでいます。



子供が生まれてから
結婚する前
会社での時
それぞれの学生時代
それぞれの元恋人…笑



棚を直し
元の場所に戻す際に
要らないものはこの際処分しようと
思い出と遺品の整理に着手しました。


結局写真やらなんやらって
たくさん持っていても
大事にしているのは数枚で
後は奥底にしまって
心の中の思い出にあるものも
いくつかだったりします。




大事にするものは少なくていい。
それ以外はもはや
大量に手放してもいい。





私が大事なのは
まーくんと過ごした時間であり
家族の時間であり

ぶっちゃけそれ以前のものは
私には関係ないっちゃ関係ない。


学生時代の思い出は
彼のものであって
私のものではない

過去を懐かしく思うためのそれらは
私には何も思い起こさせない。






私には要らないな



そう思って処分しようとした時に








あれ…でも…子供達には?





お父さんを知らない子供達にとっては
お父さんを知る手段になるかもしれない。

こんな人だったのだと
こういう風に生きていたのだと

実際に話を聞けない子供達の
数少ないお父さんとの繋がりになるのかもしれない。


そこに生きていた時間を
全部捨ててしまうのは
お義母さんも悲しいかもしれない





今はまだ
持っておくべきなのかも






ものを持たない
シンプルな暮らしを良きと思うけど

突き詰めていけば
要らないものなのかもしれないけど

来年には要らないと
手放しているかもしれないけど

そうやって、これからの未来
手放すものは多いかもしれないけど




来年要らなくなったとしても
今は要ると思うから


無理に手放すことはないのかもしれない





抱え込んだそれらは
まーくんの遺品もそうだし
私自身が集めたものもそう


私が『今』大切にしたいものであって
『今』大切にしているもの。




私がもっと歳をとって
この世界からいなくなった時に
遺された者達で
どうするか決めてくれたらいい


必要であれば残して
必要ないと思ったら処分してくれて構わない



私が今抱えているものなんて
今、私が抱えているだけで

後に残る者には関係ないこと


5年が経った今も
まーくんが出した最後の洗濯物を隠したままにしてるけど
私が死んだら「なんだこれは?」とサクッと捨てられるでしょう




大きな流れの目で見たら
大半のものは必要のないものかもしれない


結局要らなくなるなら
無くても大丈夫になるのなら
今、削ぎ落としたっていいじゃない

でも
最終的に捨てるものでも
今、この瞬間は捨ててはいけないもの




抱えたいものを抱えて
生きていけばいい。

抱えたくないと思ったものを
手放して生きていけばいい。





修復したこの棚も
修復したとは言っても
素人の簡単DIYで、いつ全壊してもおかしくない。

壊れたら…
その時に新しいものを買おう
そう決めました。

壊れたものを直そうとせず
そのまま使うことも考えず
思い切って新しいものにしよう
そう思いました。





この棚を作った時

まーくんはまだ生きていて
けーくんが生まれたばかりだった

家の1つ1つのことにこだわり
暮らしやすいように
居心地がいいように
『生活』に手をかけるのが楽しかった。

それを報告して
喜んでくれる人がいるのが嬉しかった。

居心地のいいと思ってもらえる家であることが
幸せだった。




まーくんが死んでから
1つも何も作ってない



この家で
息をすることだけで精一杯だった。






ものは壊れ


時間は流れ


季節は移ろい


気持ちは変わっていく





まーくんが死んだ時
何1つ手放せなかったあの頃からすると

少しづつ
少しづつ
お別れをしている




それでも
まだ手放せないものは
まだ手放さなくていい




ずっと同じではいられないけど
ずっと同じでなくていい


その時に
大切にしたいものを
大切にしたらいい






誰かが亡くなると
大量のその人の存在が残ることになる

その1つ1つが故人であり
どれも手放すことができない



でもそれは
その人が大切にしてきた今であり

次は
遺されたものが大切にしたいものを選べばいい




そうして
またその人も
その人なりの大切なものを大事にして生きたらいい。







子供達のために
終活せねばと(早い!笑)
負担のないように簡易的に必要なものだけ残せたらと
思っていたけど

このまま
無駄なものも多い状態で
逝ったっていいかもと思った

これが『私の人生』だったと
後は好きにしていいからと。





思い出が詰まった棚に子供達を呼んで

「ここには
写真とかDVDとか
お父さんとお母さんと
けーくんとしーちゃんの
思い出が詰まっているから

もし
お母さんが死ぬことがあったら

ここに全部あるから
見てみて

楽しんでね」



そう伝えました。



遺された人が
辛さを抱えながらも
(そりゃぁ抱えるでしょうから)
それでも
楽しく生きてくれたらいい。


私はそう願うし

きっとそう
願っていると思う。

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↓すぐ売った遺品もある。笑。そして高額買取。

↓ここから全てが始まった



▼▼▼本日のPick up▼▼▼


なし


 



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●まーくんが死んだ時の『始まり』から読む→こちら


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