嫌いだ




花を添えることも


石に水をかけることも


線香をつけることも


手を合わせることも







墓石を前に
涙が自然と溢れる


本当に自然と
閉じていた感情が溢れるかのように





なぜ
こんなことをしないといけないのか


なぜ
ここに彼はいるのか


なぜ
もうどこにもいないのか






花を携え会いに行った先に
彼はいない

もう二度と会うこともない



彼の笑顔が残る
この故郷に
彼だけがいない



海の見える高台に眠る彼に
会いに来たのは二度目
3年越しの2回目の墓参り


墓になんて興味はない
この5年
一度も手を合わせたことなんてない

でも
墓を前に涙が出て止まらない





きっとまだ
きちんと向き合えていない義母と
向き合うしかなかった私と

同じ人を想い生きている





ふらっと帰ってきそうだと
人は言うけれど


ふらっと帰って来ない家に
帰って来ない現実に

何回
何十回
何百回
何千回と

誰よりも向き合いたくない現実に
一人で向き合ってきた


どれだけ不安だろうと
どれだけ怖かろうと
投げ出したくても
逃げ出したくても

重すぎる後悔と責任を背負って
一人でやってきた





強がりの冗談も
薄情な笑顔も


この場所では
涙しか出ない




涙しか出ない